ああ、風景ってもうないのか・・・

昨日は八潮に出かけた。綾瀬川放水路が中川に注ぐポイントだ。湿度が高いな、と思って撮影しているうちに、予報通り雨になった。堤防の上で降られたのは、久しぶりだった。

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小林のりおさんの新シリーズ、「Variable Scene」が始まった。80~90年代の日本の現代風景写真の旗手ともいうべき彼は、キッチンから飛び出し、ふたたび郊外のフィールドに向かいはじめたらしい! 今後が楽しみだ。ここにその新作における最初の一言を引用しておく。

「今や風景はどこにもなくて、切り替わってゆく場面だけがあるかのようだ」

小林さんのメッセージは理解できるつもりだ。かつての意味における風景は、もはやどこにもない。その重さをひとまず受け取っておきたい。

しかし、人間に風景[写真]を組成させる原因としてのフィールド(スペースでもラウムでもエスパスでも何でもかまわないんだけど)は消え去ることはない。

ということは答えは単純だ。われわれはもういちど風景[写真]を組成し直さなければならないということであって、そのためには、とにもかくにもフィールドに身を置かねばならないということ。

デジタル、ウェブ、視覚論。そういった面から写真を考えることにはもう飽きてしまった。「新しさ」すら、もういらないと思っている。今やるべきは、フィールドに出て場面を切り出してみることだけなのだ。

それが風景[写真]なのかどうかは、実はどうでもいいことだと思っている。

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