昨年3月の個展「ニーダーフィノウの鉄の骨」のウェブ版をアップしてみた。展覧会直後ってのはもう何もやりたくなくなったりで、プリントなどもぐるぐると巻いてしまいこんでしまって、記憶からどんどん消えて行くのにまかせてしまったりするのだ。約1年放置して今、あらためてイメージを見てみると、アラが見えたり、逆に感心したりでちょっと客体化できるようになっていることに気付く。そのぐらい突き離してやっとウェブ版を作ろうかという気分になるのだった。
都市はコンクリートで出来ている、と言われるわけだけど、コンクリートだけではビルも高速道路も建たないのであって、やはり中に鉄の骨が入っているのが肝要だ、とか別に主張したいわけでもないのだけど。やはりそれ、骨は大事だぞ、ということで。骨に圧倒されることの愉悦を、あるいは骨を素朴に弄びたい、と。してみれば鉄筋コンクリートの建造物というのは内骨格をもつ生体のアナロジーなのだな。骨があって肉があって皮がある。この構造、よく考えてみると不思議だ。重力に逆らって高さを作り上げる方法なら他にもいろいろあるのに、なぜ骨と肉なのか。生体と同じ構造だと安心できるのか。
「jsato.org」の「Works」で、いちばん上の「Steel Bone in Niederfinow」をクリックしてください。
出てきたページは一見、図面だけみたいだけど、イメージをクリックするとちゃんとでかいイメージが現れるようになってます。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
