佐藤淳一展【ニーダーフィノウの鉄の骨】
2006年3月1日(水)~11日(土)
12:00~19:00(最終日17:00)
Gallery MAKI
東京都中央区新川1-31-8 ニックハイム茅場町402
phone : 03-3297-0717

約2週間、土日も何もない完全な缶詰仕事が終わって、やっと個展の準備に戻る。前の個展からのこの1年間、かなり写真に対する考えが変わってきたので、それを孕んだ複雑な構造を持つセレクションになってしまった。正直言って今回ほど、途中で「こりゃダメだ」と思ったことはない。価値基準がころころ変わってしまう自分に混乱した。3か月前の物差しが使えなくなった。先月と今月で言っていることが違ってしまった。単に年齢的にそういう時期だったのかもしれないけど。この数年、時代の急激な変化にそのまま身をゆだねてきたのが一段落して、個のレベルでの変化を咀嚼反芻し、根源的なところで落とし前をつけなければならない段階に来ていたのかもしれない。その結果、引きずり出した結論が、風景への新たな取り組み、ロマン主義への傾倒だというのだからわけがわからない。フラット化する世界への抵抗の始まり、だな。このあまりに唐突な結論に自分のことながら笑ってしまった。まあようやくメッキがはがれて「地」が出てきたということなのだろう。人間、地が出たら強いぞ。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
