ここの大学はこの2週間「芸術祭期間」で授業がない。人に言うと驚かれるのだけど、そのかわり夏休みが2週間少ないだけのこと。その芸祭も一昨日終わって、今日は後片付けの学生も少なく、研究室のあるこのフロアは全くひとけがない。朝から研究室にこもって大型プリンタを回しっぱなし、ってのが4日続いてさすがに疲れてきた。
1月の宮城県美術館での展示は、形式上は作家8人のグループ展なんだけど、統一テーマのようなものがあるわけでもなく、近作を出せという程度の縛りしかないので事実上、8人分の個展というようなものなんである。割り当てられた壁面の長さが40メートルほどあるので、普段ち~いさなギャラリーで個展をやっているようなわたしなどは、いつもの3~4倍の量のプリントを出さなければいけないということになり、作業を前倒しにしてひいひい言っている。1月末だと思って仕事を進めていたら、年末に搬入することになっちゃってさらに1か月分、前倒しとなって前倒しの前倒しでほとんど圧死しそうだ。
普通、「写真」というカテゴリーの人は図録に載せるデータは写真データそのものを印刷に回すのである。でもわたしはそうしたくなかった。彫刻の人みたいに、展示状態を撮って載せてもらうことにしたのだ。何でだろう。何でだかはっきりしないけどそうしたかった。何かひっかかるものがあって、直感的にそういうことにしてしまった。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
