雨の中で撮影するのは嫌いではない。カメラが濡れようがレンズに水滴が付こうが、ほとんど気にしない。
考えてみると、水が空から落ちてくるというのはかなり異常な現象であるように思われる。
今日、自分に当たった雨滴が地に吸い込まれ、地下水となり川となり、海に入って蒸発し、雲となって流れて再び雨滴となる。その全く同じ水分子と再会する確率を計算する、という話をどこかで読んだ。地球上の水は有限で、しかも地球の外と出入りがないわけだから、それは地球の表皮部分をずっと循環している(電気分解したら分子がバラけるだろう、とかいう面倒な話は抜きね)。同じ分子との再会の確率は限りなくゼロに近いけど、決してゼロではないのだ。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
