撮影してて雨が降ってきたり、撮影に行く予定の日に雨が降ったり、というのが多い年だ。
ヘンリッヒェンブルクで運河エレベータを撮影したあと、ふと気まぐれでレックリングハウゼン行きのバスに乗った。レックリングハウゼンに何か用事があるというわけではない。ただ行ってみるだけだ。自室の部屋の本棚に立て掛けてある、列車の行き先票の経由地にその地名はあって、ずっと眺めているうちに覚えてしまったのだ。バスは思った以上に長い距離を走り、ちょっとした山越えまでしてレックリングハウゼンに着いた。途中で唐突に風力発電の風車が現れた。雨なのにちょうど陽が射してきた。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
