高橋明洋「img」に「Another Rethina」シリーズが帰ってきた!!!
しかも今度は横縦比が16:9の、いわゆるハイビジョン比率。
ここでふと、気がつくこと。
ウェブに限らず、電子系のスクリーンは、徐々に横方向へ広がっている。初期のテレビ用のブラウン管は、オシロスコープのような正方形だったような気がする(円断面のブラウン管から、最大の投影面積を確保しようと思ったら正方形になるのは必然)。それが時を下るとともに、段階的に横へと伸びていった。そして今、ブラウン管が退場して液晶やプラズマが標準デバイスとなった段階で、縦横の比率はデバイス側の技術的な都合というより、むしろソフトの側で定義されるようになったということなのだ。
なぜ横長なのか。
人間の目が横に二つ、並んでいるからである。
広がりを感じさせるための手っ取り早いフォーメーション。視覚のステレオ化。
電子スクリーンにおける映像は、この方向にしか進むことができないでいるようだ。そこにどのような意図をたたきつけるのか。それが表現上の問題となるだろう。単なる広がりを再現的に見せていくのではない、別の何か。水平性とどのように格闘することができるか。
電子スクリーンと、それに対置される空間としての壁面・・・では壁面では今、何ができるのか。
単純に反対の、縦長、が刺激的なんじゃないか。
縦長は目の配置に抗い、高さ方向の幻惑を作り出すことができる。それは再現的というよりは表現的、人工的、構成的な表現を呼ぶ。電子スクリーンでは出せない、高さ。
電子は横長へ向かい、壁面は縦長へ向かう。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
