オオカワウソ探索1@ブラジル

[ In mid-August, I participated in International Otter Congress in Rio de Janeiro. After the congress, a tour was organized. This Post-Congress Tour aimed to visit a habitat of Giant otters in Cantão state park in the central part of Brazil. This story will continue for several times. ]

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ついに行ってきました地球の裏側。じゃなくて反対側。前回の記事で書いたように、8月中旬、ブラジルはリオデジャネイロで行われた第12回国際カワウソ会議に参加し、ついでにその会議後の大型エクスカーション企画である、カンタオ州立公園でオオカワウソ生息地に分け入るツアーにもまぜてもらいました。

ところで私事で恐縮ですが、わたしはラテン音楽は全般的にキライではなくて、マンボ、チャチャチャの類からサルサ、YOSHIRO広石からピアソラまで、今までまあいろいろと聞いてまいりました。しかし、サンバとボサノバだけはなぜか肌に合わなかったので、人生においてキューバやアルゼンチンに行くことはあっても、ブラジルにだけは行かんだろうな、と何となく思ってました数年前まで。

しかし、オオカワウソが変えたわたしの人生。

2年前にドイツでのオオカワウソを飼育している4つの動物園を一気に訪ねてからというもの、いわゆるふつうのカワウソの愛らしさとは一線を画したオオカワウソの宇宙的な存在感にすっかりやられてしまい、ブラジルだろうと何だろうと彼らのお住まいにぜひ一度、お邪魔してみたい、という気持ちになっていたのでありました。

というわけで8月中旬、ブラジルはトカンチンス州の州都、パルマスからオオカワウソの旅は始まります。

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だいたいブラジルの州なんてアマゾンぐらいしか知らなかったので、トカンチンス?どこだそれ?という感じでしたがそれもそのはず、トカンチンス州自体がまだできてから20年ぐらいしかたっていないのであった。考えてみてください。日本で、平成になってから新しい県ができました!っていう事態を。ほぼありえないですね。そのありえなさがそのままトカンチンス州です。あ、実際この写真のような、何もないところだった。

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だんだん道がアーシーになっていくのは気のせいでしょうか。

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で、これまた予習不足で申し訳ないのですが、ここいらあたりの植生はCerrado(セラード、ではなくて、せはぁーど、というのが本場の発音)という、アフリカで言ったらまあサバンナみたいなものなのでした。背の低い草が一面に生い茂り、ヤシ科から広葉樹までいろいろな木が、まばらに生えていてかっこいい。

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何もない、と言いましたがたまに牧場(ウシ)があります。大豆畑やトウモロコシ畑なんかもあります。

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これがわれわれをパルマスの空港からカンタオ州立公園まで運んでくれたナチュラチンス号。というかトカンチンス州環境省の車なのだ。何と言っても国際会議の参加者だから、VIP待遇であります。これでわれわれはきっと州内どこでもフリーパス!にちがいない。

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そのナチュラチンス号に揺られること3時間あまり。いよいよカンタオ州立公園に入ります。魚取るな、鉄砲打つな、植物とかも取るな、な保全エリアの入口。

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地図の右がトカンチンス州全体を表わしています。真ん中にある濃い部分がパルマス。で、左の黄緑の部分はカンタオの拡大図で、州の西のはずれ、アラグアイア川に接したエリアになっています。実はここ、アラグアイア川の巨大な中洲(バナナル島)であって、何でもそのバナナル島って河川の島としては世界最大の大きさなのだとか。すごいんだかそうでもないんだかよくわからない、地味な世界一ですな。

島の大きさはさておき、ここカンタオのすごさはまた別の部分にあります。

ここは3つの植生のちょうど境界にあたっているのであった。3つの植生とは、まずさっき通ってきたCerrado、それとアラグアイア川の左岸より西に広がるアマゾン浸水林(Igapó)、それと南西部から先に広がるのがパンタナール(Pantanal)だ。

つまり、ここに来るとそれら全部の景観を見ることができるってこと。もちろん動物についても、だ。おお、これこそすごいというかお得というか。突然ですが、仙台の名物で三色最中というのがあるんだけど、カンタオは植生の三色最中と言ってしまっていいだろう。いいだろう、と言われても困ると思うけど。

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で、こちらがビジターセンター。

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現地で研究&保全活動をされており、カワウソ会議にも参加されているアラグアイア協会(Instituto Araguaia)のジルバーナ博士がよく通る声で解説してくれます。

それによると、この周辺には乾期に現われる湖(いわゆる河跡湖とか三日月湖の類か)があちこちに点在しており、オオカワウソの巣もそこにあるのだそうだ。明日からその湖をいくつか回ってみましょう、的な予定になってるらしい。

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で、とにかくオオカワウソだ。

オオカワウソはポルトガル語でAriranha。ありら~にゃ!

あ、あらかじめ言ってきますけど、今回のこの探索記事でもそう簡単にカワウソは出て来ません。何回シリーズになるのかも全くわからないで書いています。気長にお待ちください。

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んでこの変な鳥がホーアチン。鳥なのに葉っぱを食べる。したがって消化のために胃が2つある。ヒナは泳げる、つうか潜水が得意で、爪で木をよじ登ったりする。かなり変な鳥ですが、これもここいらの名物とのことです。実際、ちょくちょくお会いすることになりました。

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ひっそりとおみやげコーナー。ピラルク?とオオカワウソ。小オオカワウソと大オオカワウソ。

というわけで1日目はここで終了。

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翌朝は夜明け前から行動開始。レンジャーさんたちがボートを準備しています。ここではボートがないと動けません。

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ここからボート乗ります。

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アラグアイア川の朝。暑くも寒くもない気温で、案外快適。

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しゅっぱーつ!

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でも飛ばすと結構、寒い感じです。ここは本流なので、乾期とはいえ水深はそれほど浅くないっぽい。

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ちょくちょく出てくるのがこの黄色い花の木。ブラジルの国の木、なんだそうな。

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かっこいい景観。

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で、そこかしこに鳥が出るわ出るわ。これはAnhinga(和名なし?)のメスと見ました。もちろん現地ではぜんぜん名前わからず。ようやくさっき調べましたすいません(以下同様)。

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こちら、カンムリカラカラ(Southern crested caracara)。

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で、こちらはキュラソーの一種(Bare-faced curassow)かと思われます。おそらくペアです。

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はい。この調子でオオカワウソまではかなり遠いので、途中で飽きてしまわないようしっかり付いてきてください。

つづく。

コメント

  1. マキ より:

    前回の記事に珍しくコメントを書いたらエラーになって
    記事も見れなくなったのでどうなったのかなぁと思っていました。
    会議の後に野生のオオカワウソ生息地ツアーとは!
    凄いです凄いです!続きを楽しみにしています。
    それにしても・・・凄いです・・・。(しつこい(^^;)
    あ、お土産コーナーのオオカワウソ様可愛いですね^^

  2. jsato@otterhaus より:

    >マキさん
    すいませんご心配をおかけしました。
    何とか無事に帰ってきました!
    なかなかオオカワウソ、出てきませんがよろしくお付き合いくださいませ。

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