[ Oriental small-clawed otter at Aburatsubo Marine Park Aquarium. A presentation of the hand-reared otter named Arashi was held today. ]

新潟の展示替え大作戦シリーズの途中ですが、ちょっと割り込みます。こちら油壺マリンパークの人工飼育コツメ、アラシ=嵐くん!

1月から予告されていた通り、今日3月30日は、嵐くんのミニパフォーマンスがある日です。

で、嵐だけに天気も思いっきり嵐でした、という実にベタな展開。

どしゃ降り、ってわけではないですが、三浦半島は風が強いので横殴りです。フクダンデ部屋なんかもうこんな感じで、何も見えません。

その一方でゴマ先生、外が嵐でも、全く気にしていない感じです。

先生、お食事タイム。

びよ~ん。フク&ダンデもお食事タイム。

基本的にコツメカワウソは雨の日のほうが活発です。

こんな日にカワウソ見に来るお客さんも素晴らしい。
すいません、雨風が強いので、大麦部屋の様子は撮るのをあきらめました。また今度。
・・・
というわけで、嵐くんミニパフォーマンスの時間です。油壺名物の「いるか・あしかパフォーマンス」終了後に行われました。

パフォーマンスを担当するすてきなトレーナーのみなさん!

嵐くんが登場する前に、スクリーンを使って嵐くんの誕生から現在までの経緯が説明されました。

意外に、詳細です。

単にコツメが出てきて何かする、というだけではなく、その種と個体の特性をわかりやすく解説することをねらっていることがうかがえます。今からパフォーマンスで披露される行動はどういった背景に基づくものなのか理解してもらうための、その下地の材料みたいな情報が提示されるわけですね。

下地ができたところで、いよいよ主役の登場!

おお、嵐くん、やる気満々じゃないですか。

まずは最初の種目。

これ、わたしは見ていないので知らなかったのですが、某テレビ番組で使っていた何とか言う装置だそうですね。

コツメの採餌行動を利用し、各種の餌を仕込んだパイプに前脚をつっこむ様子を見せるものです。ごそごそ探る様子が、コツメと反対側のパイプの端から見えるようになっています。

もちろん、それだけだと遠くから見えませんので、ハンディビデオカメラによるクローズアップ画像が、さきほどの説明用スクリーンに大写しにされます。これがこのパフォーマンスにおける大きな特徴といえるようです。小さなコツメのアクションを、数百人のお客さんに同時に見せる唯一の方法。あんまり映像に頼りすぎると、テレビで見るのとそれほど違いがなくなりそうな気もしますが、それでもパブリックビューイング的なライブ感はあるわけで。

ものすごい数のお客さんが見守るプレッシャーにも負けず、みごとにすべてのえさをゲットしました。

つづいて泳いでもらいますが、まずは自分に給水。

ふつうに泳ぎます。

プールから上がったらタオルで濡れた毛皮を自分で拭くんですよ、という行動が説明付きで披露されます。

そして最後の種目は、コツメの敏捷な走りっぷりと、ジャンプするときのしなやかな体形の変化が観察できる、輪くぐり!・・・まあ水族館ですから輪ものは定番ということで。でも一瞬で終わってしまいました。やはり低いところでちょろちょろっと行われるので、視覚的な迫力は出にくいですね。これはまだ改良の余地がありそう。

やった!
先週の初回パフォーマンスでは、嵐くんおおぜいのお客さんにびっくりして動きがいまいちだったそうですが、今日はみごと大成功のようです。
水族館に受け継がれてきた動物トレーニングの技術を、動物とその行動の理解のために応用し、昔のような興味本位の見せ物ではない、今日的意義をもったエデュケーショナル・エンタテインメントへと仕立てる、試行錯誤のプロセスを垣間見せていただいたような気がします。
次回、また新潟にもどります。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
