
おかげさまでドボ珍もひとまわりしました。第5回はまた水門。今回は渡良瀬遊水地の第1・第2・第3排水門をご紹介。
関東平野のど真ん中にある「人工原野」である渡良瀬遊水地だけど、その由来は明治の足尾銅山鉱毒事件まで遡る。その詳細は本でもネットででも、いくらでも調べられるのでいちいち書かない。ちょうど100年前の話だ。
何で他の遊水地のように農耕地になってないのか、といえばそれは農耕地に適さない土壌がまだ残ってるから、という理由しか考えられないだろう。つまりここはいまだにヤバい土地であるというわけ。でも放射能とかそういうきわめつきのヤバさではない(足尾の鉱毒ってのは銅イオン系です)ため、われわれ一般人が自由に入り込めるようになっている。食用にならないだけで植物は繁茂する(表土には銅分がなくなっているのか、あるいは種類によるのか)から、結果的にもう原野になっちゃうしかない。
どう書いても歯切れが悪くなるな。
まあ、とにかくそういういわく付きの広大な人工原野が遊水地になっていて、結果的に現代の利根川の洪水制御システムの一翼を担っている(首都圏が水浸しにならない)ということ。そういうことをやはり意識しておきたい、と言うか。もっとも水門を見ることを通じて、そのシステムのスケールのでかさを感じ取ることぐらいしか、わたしにできることはない。
行ったことない人はぜひ一度。もうほんとに原野なんだから。
そういや前にこんなのも書いてたっけ。遊水地内のあちこちに立っているスピーカーの塔の話。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。

コメント
トーンゾイレこないだ見つけて大興奮しました
こんなに背、高くなかったですけど。
このドイツ語はださカッコいい系ですね。
渡良瀬遊水地のやつは特別ですよ。
こんな用途(大原野での避難告知用)のトーンゾイレ、他所にはないんじゃないかなあ。