●水上泰財展
コート・ギャラリー国立 9月18日まで
悪い意味じゃなくて、具象絵画って漫画なんだよなあ、と素直に入り込んで行ける画風で、去年ウィーンから帰られて以来、すぽーんと飛び抜けたように絵が明るくなった感じがして(ある人の評によると、以前のはオカルトだった)、色の調子やイコン的な表現などでますます自分のツボにはまって来て、要するに単純にファンですわたし。よって思考停止(笑)。ブリューゲルを見るように、何も考えずに眺めまわし、画面の中に入り込んでいろいろ発見することの悦楽、でした。宗教絵画のパロディみたいな手品師の絵には笑ったけど、ブルーの鳥の姿が頭に焼き付いてしまった。
●南條敏之写真展「suns」
masuii R.D.R gallery 9月16日まで
川口駅から徒歩6分、公団アパートを改装して作られたギャラリー。水面に反射する太陽のシリーズを粘り強く続けていらっしゃる。その丁寧な仕事ぶりに敬服。シャッターを長めに開けて光跡がうねうねした曲線として記録されている旧作が1枚あって、そっちの方が意図がわかりやすかったな、と最初思った。その旧作から入っていかないと、よりストレートな撮り方をしているように見える新作で何を見るべきなのかに気付きにくいのだ。新作ではシャッタースピードは手持ちで撮れる領域だそうだ。であるとすると、ほんの一瞬のうちに水面には100個ぐらいの太陽の反射が見えているということで、そこに気付くとがぜん面白くなってくる。1個の太陽が星団を形成しているように描かれているのだ。ぱっと見、普通なんだけどよく考えるとかなり不思議。水面って凄い、と思った。
これ、太陽じゃなくて欠けた月でやったらどうなります?とか余計な提案をして帰る。
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帰りは恒例の書店チェック川口篇。書泉ブックドーム、丸善そごう川口店、文教堂書店川口店。
全滅・・・。
なーんだ川口、終ってんじゃん、とか思ったが、終ってるのは『恋する水門』の方かもしれない。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
