
(2013年2月撮影)サンシャイン水族館のラッコ、ミールさん。
このところ、昔撮ったままで公開してなかったカワウソとラッコの写真データを発掘し、最新の現像処理であらためて可視化する企画を続けています。
実はこの日の撮影は、直後に記事↓にしてアップしているのですが、18枚中のわずか2枚だけラッコで、あとはコツメでした。この日は数年ぶりにコツメの展示が復活したのを見に行ったため、ラッコの撮影はほんの数十分だけでした。今思えばもっといっぱい撮っておくべきだった。


2013年当時のラッコ展示です。

ミール、寝てますよ〜

後述しますが、2013年2月時点でのサンシャインの展示はミール1頭だけでした。
よく知られたお話ですが、国内の園館で展示されてきたラッコはほとんどがアラスカラッコ Enhydra lutris kenyoni [Northern sea otter] です。しかしここサンシャインにいた2頭はアジアラッコ(ロシアラッコ、チシマラッコ)Enhydra lutris lutris [Asian sea otter, Kuril sea otter] です。アジアラッコは他に豊橋総合動植物公園が1990年代に飼育した例があるだけ。
学名を見てわかるように、実はアジアラッコの方が基亜種なんですね。学術記載が1758年で、他の二つの亜種が分離されたのはずっと後のことです。

亜種の違いは大きさ、頭骨の幅、吻の長さなどに現れるそうですが、わたしの目では違いがわかりません。もっともこの時はそういった前提となる知識があったわけではなく、ミールがアジアラッコであることを意識して見ていたかどうかも、かなり怪しい。

こういうところをいじくり回すのは、ラッコに限らずカワウソ類共通の行動かと。

お口の写真も重要。

そわそわ〜
毎度書いてますが、やはりここの照明もホワイトバランス合わせるのが難しかったです。背景と水の青をきれいに出そうなんて妙な色気を出すから悩みまくるんだろうなあ。実は撮影直後に出した記事と同じショットが2枚入ってますが、色が全く別の解釈になっててわれながら面白いです。でも、どういじっても現在のLEDのように抜けの良い色にはなってくれません。どこで妥協するかで悩む。

もうすぐフィーディングタイムなのでした。

来たかな!

イカもらいました🦑

サーモンでしょうか🐟
さて、この撮影の2か月ほど前に、オスのルーチが亡くなってます。このペアは2003年からずっとサンシャインで飼育されていました。2007年に繁殖に成功したのですが、仔は残念ながら短命に終わっています。

ルーチ、前にお会いしてますが、撮る機会がないままお別れとなりました。

ルーチの追悼写真展が行われてました。この公式写真を見る限り、サンシャインのラッコ写真は水のブルーをきれいに出さないといけない、ということがわかります。

ミールの目のところにガラス面の水滴が重なって、まぶたを閉じているように写ってました。
さてこの翌年、ミールのところへ鳥羽からロイズがやって来ます。2014年3月のことでした。
当時のメディア報道でも繁殖を目指す、とはっきり書かれています。先日のうみなかの発掘記事で書きましたが、この時点ですでに日本の飼育ラッコ界は、今やれることは何でもする、という段階に入っていたことがうかがえます。
しかし、2016年1月にミールが亡くなってしまいます。繁殖のためにBLで来ていたロイズはサンシャインに残る理由がなくなってしまいました。サンシャインのラッコ展示は2016年2月いっぱいで終了となり、ロイズは鳥羽へ帰って行きました。
いつも日本のラッコ展示の経緯については、munyさんが残してくれている「ラッコニュース」を頼りに書いています。この時期(2016年2月)、うみなかのマリンも亡くなってしまい、ラッコ好きの皆さんにとってつらい時期だったと思います。そんな時期でも休まず記録をまとめていただいているmunyさんに、あらためてありがとうを言いたいです。
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佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
