切手の話のところで書きわすれたことがありました。今は切手趣味はぜんぜんないのだけれど、全く関心がないわけじゃない。何かきっかけがあったらまた集めてもいいかなあ、というような状態にあるのだ。大して高いもんじゃないし、かさばらないのがいいよね。でもやっぱり「大人買い」とかしちゃうんだろうな。それもやだな。
5年ぐらい前にクアラルンプールで、中央郵便局に行ったことがある。必要以上に広い局舎(そういえばあれより大きい郵便局に入ったことがないような気がする)の一角に、記念切手専用売り場みたいな場所があって、その窓口に少年たちが群れていた。そう、彼らは切手マニア少年だったのだ。日本では30年前なら割と普通に見られた光景だと思うし、自分もその中のひとりだったことを考えたりして、何だかほほ笑ましい気分になったものだ。マレーシアでは切手収集がいまだに少年たちの間に趣味として存在しているのだなあ、さすがは英領だっただけあるなあ、と妙な感心の仕方をした。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
