佐藤淳一展【ニーダーフィノウの鉄の骨】
2006年3月1日(水)~11日(土)
12:00~19:00(最終日17:00)
Gallery MAKI
東京都中央区新川1-31-8 ニックハイム茅場町402
phone : 03-3297-0717
約2週間、土日も何もない完全な缶詰仕事が終わって、やっと個展の準備に戻る。前の個展からのこの1年間、かなり写真に対する考えが変わってきたので、それを孕んだ複雑な構造を持つセレクションになってしまった。正直言って今回ほど、途中で「こりゃダメだ」と思ったことはない。価値基準がころころ変わってしまう自分に混乱した。3か月前の物差しが使えなくなった。先月と今月で言っていることが違ってしまった。単に年齢的にそういう時期だったのかもしれないけど。この数年、時代の急激な変化にそのまま身をゆだねてきたのが一段落して、個のレベルでの変化を咀嚼反芻し、根源的なところで落とし前をつけなければならない段階に来ていたのかもしれない。その結果、引きずり出した結論が、風景への新たな取り組み、ロマン主義への傾倒だというのだからわけがわからない。フラット化する世界への抵抗の始まり、だな。このあまりに唐突な結論に自分のことながら笑ってしまった。まあようやくメッキがはがれて「地」が出てきたということなのだろう。人間、地が出たら強いぞ。