日本最北の水族館

[ The northernmost aquarium of Japan is here. Wakkanai Noshappu Aquarium‘s highlight is Spotted seal exhibit. ]

160309_01
昔から、北海道を訪ねるのは冬でなければならない、という妙な思い込みがある。誰かに言われたわけではなく、自分としてはそういうことになっちゃっているのである。

160309_02
というわけで、今日はみごとな吹雪っぷりだ。北の厳しい天候に遭遇し、こちらの気合も入ろうというもの。

160309_03
稚内市街地のはずれにある稚内市ノシャップ寒流水族館。日本で最も北にある水族館だ。

160309_04
こんな時期の、しかも平日にも開館しているというのはありがたい。

160309_05
入るとすぐにゴマフアザラシのプールがある。

160309_06
静止している水はすべて凍るので、ご覧の通り氷塊の上にゴマちゃんたちがゴロゴロしているだけの、簡素な展示だ。

わたしも今まで、だいぶあちこちでアザラシの展示を見てきたつもりだが、これは今まで見たうちで最高にナチュラルなものである。実はこのプールのどこかに穴があって、すぐ外の海と出入り自由になっているのだと言われてもたぶん信じる(本当にそうなっているわけではない)。

160309_07
こじんまりとした本館は、何と言うかいわゆる懐かしい水族館である。列車窓タイプの水槽が並ぶ。個人的にはこういう古典的な水族館に入ると、食欲がそそられる。活魚店の生簀の前に立つのとあまり変わらないからか。

160309_08
びっくりしたのがこの回遊水槽。淡水魚のイトウが、海水魚といっしょに泳いでいる。イトウの方を海水に慣らしてから同居させるのだそうだ。魚の体って結構フレキシブルなものだなと思う。

さて、ノシャップ寒流水族館は、稚内市青少年科学館と一体化しており、水族館の入場券で科学館の方にも自由に出入りできる。これはうれしい。

160309_09
この科学館の目玉展示は、南極観測にまつわるものである。

なぜ日本の北の果てに方向が正反対である南極の展示があるのかというと、あの有名なタロとジロを始めとする、樺太犬の訓練が行われたのが稚内だからなのだった。なるほど。

広くはないものの、なかなか気合の入った見ごたえのある展示であった。別館になっている南極越冬隊資料館というのが整備中で見られなかったのは残念である。

そして、ここにはもうひとつ目玉があった!

160309_10
五藤光学 GX-10T。

道内でいちばん古いプラネタリウムだそうである。もちろん日本最北のプラネタリウムでもあることは言うまでもない。

番組を2本も見せていただいたのだが、何と2回目の方は「ひとりで貸切」であった。

外は地吹雪、ゴマちゃんゴロゴロ。館内では独り占めで南極の夜空の星々を堪能する。こんな贅沢が世の中にあることを今まで知らなかった。これでたったの500円は、実に申し訳ない気がする。

プラネタリウムにはまったく詳しくないのだが、昔ながらの光学式投影機がどーんと据えられた姿はやはりそそられる。

そしてプラネタリウム鑑賞の合間に、ゴマフアザラシ。

160309_11
幼獣プールに2頭。

160309_12
幼獣と言っても、もうだいぶ大きいのだけど。

160309_13
吹雪でも爆睡。実にたくましい。

160309_14
そろそろ起きてみるか、的な。

160309_15
だるまっぽい。

160309_16
水族館の外はすぐに宗谷海峡の海だ。あ、宗谷海峡って国際的にはラペルーズ海峡(La Perouse Strait)って言うのだそうですね。知らなかった。

160309_17
何ともナチュラルで、そしてたくましい。

160309_18
幼獣プールの子たちが声を上げるので、1頭が寄って行く。親だろうか。

160309_19
何でもないことがわかって、すぐにターン。

160309_20
お腹を使って雪滑り。と言ってもアザラシの場合、移動は常に雪滑り状態だが。

160309_21
ずざーっ

160309_22
決まった!

最後に蛇足ながらひと口情報。館内には食堂のようなものはありません。周辺は観光地ですが、この時期はお店も開いてませんので、長時間の滞在を予定されている方は食料を持参してください。もっとも市街地までのバスは結構本数があるので安心です。

【次回予告】次はひさびさの釧路市動物園。カナダカワウソをお楽しみに。

タイトルとURLをコピーしました