Vintage article series: Humdrum 19971020 – 19991231


何とまあ10日間、一度もシャッターを切っていなかったではないか。10月という月は元来、晴天が続くものである。しかし今年はどうもダメだね。何だか秋雨みたいな湿気をずるずるずると引きずっている感じ。実は標準的なる天候なんてものは無くて、毎年々々同じ季節に同じ天候が繰り返されるほうがむしろ異常なのだ、とも思うが、やはり秋は抜けるような青空が欲しいなあと素朴に思うのであった。それにしても毎年同じ季節に同じことをしたくなったり、さらには10年続けて毎年同じ曲を聞きたくなる、というのはある種の惰性なのではないかと思う。その「もう一度同じ気分を!」という回帰的行動傾向を打ち壊そうとするのに近ごろでは余ッ程の力をかけないといけなくなった。どうせこれから日本中年寄だらけになるのであるからと開き直り、そんな保守的行動特性を老人力などと号して肯定的に処世しようという昨今であるが、むろんそんなムウヴメントに賛して同ずるにはわたしの場合、まだ2、30年は早い。畢竟、当分は心にパンクスの灯を点して生き進まねばならぬことになる。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
