デジタルも古典印画も

1998/10/28 Kanagawa

CRTや液晶の上で見る、いわゆるデジタル画像。最初はあまり本気で付き合おうとは思っていなかった。別にキライだ、というんでなくて、何か本当のモノは別にあって(印画紙プリントとか版画とかタブローとか)、デジタル画像はその代償物である、というような気持ちがどこかにあった。しかしどうもこのところ頭の中の様子が変わってきてね。デジタル画像の美しさ、ってのがたしかにあるなあなんてとてもちょくちょく感じるようになってきたわけで。たとえばモノクロプリントの美しさは一般に黒で、これは印画紙の中の銀粒子をもっともふんだんに引っ張り出した結果としての美しさ、と理解される。それに対してCRT上で最も美しいのは白であろう。電子銃から放出される電子を最もふんだんに使った結果としての眩しい白。たとえば小林のりおさんのweb上のプロジェクト「風景の被膜」の最新作品。透過光の木の葉が、背景のフルビット255の白にブレンディングしていく美しさには本当にはっとさせられる。そういう今の気持ちと大幅なズレがあるのではあるが、来月、グループ展やります。19世紀の写真印画技法による現代の作品が何種類も一度に見れる珍しい展覧会です。わたしは新作を出せないのであまりイバれませんです。詳細はこちら。
PAF exhibition(http://www.kt.rim.or.jp/%7Enisimaru/paf_exhb/)

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