たまには苦情でも書こう。
わたしのメールアドレスは独自ドメインの「kohan-studio.com」を使っているのだが、最近このアドレスでメールを出すと「届かない」と言われることがしばしばある。
どこかの段階でスパムフィルタに引っ掛かるのだろう。
何か悪いことやってんじゃねえの?とか言われそうだが、残念ながら自分ではやってない(と思う)。しかしそれでもどこかで悪用されている可能性はあるわけで、自分の知らないところでブラックリストに載せられているのかもしれない。あるいは個人のメールソフトで、スパムメールは「.com」ドメインから来ることが多いので、よく知らない「.com」ドメインはとりあえず「迷惑メール」にして消してしまえ、みたいなアバウトな処理をされていることも十分に考えられる。
このままで行くと、個人が取得しているような弱小の「.com」ドメインなんか、そのうちほとんど使えなくなるだろう。
まあそりゃいい。いや、いいわけではないが、困るのはわたしひとりではないのでそのうちに何らかの対策がなされるだろうからだ。お金を取って安全なドメインであることを証明するサービス、なんてのが現れるだろう。いや、似たようなサービスはもうあるのか。
金で信頼を買う。上等だと思う。
でも気持ちがね、納得できないのだよ。
個人も大組織も対等である、というネットの理念のひとつが、こうやって崩壊していくのだ。それを目の当たりにして、なんとも残念だという気持ちが起こってくるだけで、何もできない。自由っていうのは、その自由であることが原因で自滅するのだな。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
