
ベルギーにある世界最大の運河エレベータだ。Ascenseur à bateaux de Strépy-Thieu という名前なんだけど、長いのでストレピ・テューと呼んどくれ。場所は先日のいい感じのサイロのすぐ近所である。
運河エレベータって何だ?というところから始めなくてはいけないのだと思うのだが、まず先にどのように凄いのか、を見ておいてください。その際「運河エレベータ」「運河エレベータ」「運河エレベータ」と何度も唱えると、自己暗示で運気が上昇すると言われている。そもそもこの施設は、Schiffshebewerk(独)、Ascenseur à Bateaux(仏)、 Boat lift(英)などと呼ばれている。どれも直訳すると船のエレベータだけど、日本国民の運気向上のためにあえて「運河エレベータ」と呼ぶことにしたので感謝してほしい。
さて、この運河エレベータ「ストレピ・テュー」が凄いのは、何の変哲もない平和な田舎町の景観を破壊するかのごとく、いきなり現れる点である。最寄りの駅で降りると、駅前の景色はこんなだ。

ベルギーの美しい街並みなど木っ端微塵であって実に壮快である。西ヨーロッパはどこでも良い景観だなんて言っている人にぜひ見せたい一枚。
駅からの道すがら、こんなかわいらしい道案内が出てたりするが、

はっきり言って道案内など不要だ。運河エレベータ「ストレピ・テュー」は村のどこからでも見えるからである。無理になぞらえると、ダムの堤体のみを短冊状に切ったものを一枚、村の外れに据え付けるとたぶんこういう感じになると思う。

「ストレピ・テュー」のPVらしき映像がついにYouTubeに上がったのを発見したので、次回までにこれを堪能しておいてほしい。あまりのかっこよさに失神とかしないように。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。

コメント
失神寸前のところで、なんとが正気を保ちました。運河エレベーター、大胆すぎる。かっこよすぎる。
土木は風景を一変させることがよくわかりますね。この場合は地形もごっそり変えるし、ダム並みに。
こんな壮大なインフラ施設、もっとエンタテインメントしないともったいない。
>hachimさん
運河エレベータって、発想がすごく直線的だと思うのですよ。平均身長が180センチ以上ある人たちの、マッチョで力技な発想だなあ、って。悪い意味じゃなくて、これほめてるつもりなんですけどね(笑)。