
言わなくともわかると思うけど、京都タワーだ。
建ってるところが建っているところだけに、昔からいろいろと悪口を言われ続けてきたように思うのだが、最近はどうやら落ち着いているらしい。その証拠にちゃんとキャラクターまで出ている。
ちなみに10月1日は展望の日なのだそうだ。テン、ボー。
知らなかったよ。完全に出遅れた。
何で京都タワーが以前から気になっていたのかと言うと、設計者が山田守だからだ。山田守と言ったら日本の近代建築の名作「東京中央電信局」を設計した人である。東京中央電信局はもうないけど、モチーフとなった細長いアーチはお茶の水の聖橋で今でも見ることができる。
ね?クセのあるスタイリングだけど、引っかかるでしょ。
わたしは建築の勉強してないのでエラそうなことは一切、言っても無駄なのだけど、大変なことに気付いてしまったので、今ちょっと言ってみたい。
建築には、「リズムで来るタイプ」と、「メロディで来るタイプ」があるのだ。
それって建築物の外観がシンプルか装飾的かの違いだけじゃないの、とかズバリ言わないでほしい。せっかくのお正月なんだから平和に暮らしたい。
腰に来るリズムも流麗なメロディも良いものだが、やはり一度聞いたら耳に残ってしまう「クセのあるメロディ」にはかなわないと思う。雑踏の中から聞こえてくるヘビ使いの笛の旋律のようなやつだと一等賞だ。
今、ほんとにたまたま、Kraftwerkの不朽の名作、The Man Machineを流してたのだけど、4曲目の「The Model」のメロディなんか実にそういう感じだ。せっかくだから変なクセのあるメロディが耳に残ってしまうサンプルとして挙げておきたい。
さて、話は京都タワーに戻る(あ、京都タワーもなにしろ山田守なので十分にクセがあるという肝心なことをまだ書いていないじゃないか)。
京都タワーで検索して、たわわちゃんとひこにゃんが友好関係にあることを知って驚いただけでなく、何ともステキな活動をしている人たちがいることを知った。
京都タワーが変わらないなら、人々の見方の方を変えてしまおう、という趣旨である。あんたが変わんないなら、あたしの方が変わってやるよ、である。かなり出遅れたけど拍手。こういう柔軟性が時代を変えていくのだ。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。


コメント
友達の山田咲生さんは、山田守がおじいちゃんだそうです。
咲生さんは、京都タワーを設計したことだけは絶対に人に言うな、
と親からきつく言われていたそうです。行った途端に顰蹙を買う
からなんだって。彼女は笑い話にしてるけど、親は苦労したん
ですね。きっと。癖のあるメロディといういうところで、
なるほど、と思いました。おじいちゃんは詩を書いていたそうです。
北爪さん、お久しぶりです。
山田守のお孫さんとお友達、ということは、自分から2人(北爪さんとお孫さん)入るともう山田守に達してしまうのか! そういう、何というか人と人の関係のリアリティにちょっとびっくりしています。
京都タワーはそこまで徹底的に悪評だったのですね。今になってようやく別の見え方ができるようになってきたのだと思います。しかし冷静に考えてみれば、よくもまああんなところにあんなクセのあるものを作ったものだなあと、今さらながら驚くしかない。
山田守をもっと知りたくなってきました。