『さかしま』

J.K.ユイスマンス作、澁澤訳。いろんなところにちょくちょく出てくる書名だけど、これまでの人生の中で読む機会はなかった。さかしま、ってぐらいだから、きっととってもいやらしい倒錯系のエロ小説にちがいない、とずっと思ってたんだけど、ぜんぜん違った。むしろ「ヒッキー小説」だなこれは(笑)。内容を一言で要約すると、オタクもいいけどあんまり引きこもってると体を壊すぜ、っていうこと(なんだそりゃ)。あるいは中世の修道院生活ってやっぱりあこがれるよね、みたいな。それと働かなくとも好きなことして食っていけるってのも、それはそれで大変なことだよな、というバカなインプレッションも可能か。いずれにしても、この作品世界は決して嫌いではないぞ。やばいぞ。

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