
(2013年5月撮影)おたる水族館のコツメカワウソ、カオルさん。
昔撮ったままで公開してなかったカワウソとラッコの写真データを発掘し、最新の現像処理でクオリティアップして可視化する企画を続けています。
おたる水族館は2012年と2023年の記事を上げてましたが、最近、撮影データの整理をしていたら、2013年5月の撮影が未公開だったことに気がつきました。完全に忘れてました。


実は上のふたつの記事も、コツメカワウソについては十分な内容ではなかった。なにしろ現場が暗いこともあり、もうノイズにまみれた捨てコマばかり。つまり当時のテクノロジーではコツメだけで十分な写真記事になりにくかったわけですね。
残念ながら、おたる水族館では今年(2026年)の7月にカオルさんが亡くなって、コツメの展示が止まったままになっています。今後どのような方向に進むにせよ、おたる水族館のコツメ展示の歴史を語り継ぐ観点から、いま自分が出せる写真はなるべく全部、記事として上げて、広く見てもらうべきだろうと。

2013年当時の展示も、現在と同じ場所にありました。この前の年、2012年に比べて照明が暗くされています。気のせいかなと思っていたのですが、今回、撮影データを比較してそのことを確認しました(季節や時間帯によって照度を変えていた可能性もありますが)。

カオルさん。2013年当時、6歳。
おたる水族館でラッコの展示が終了したのが2005年11月のことだそうです。直接の関係があることなのかどうか、わかりませんが、館の沿革によると、2007年3月にコツメ水槽を新設したとあります。

カオルさんはそのコツメ展示開始時からいたので、おたるのコツメの歴史=カオルさんの歴史になるわけです。偉大な存在です。水槽前には今も献花が絶えないそうです。みんなにとても愛されていたんですね。

ダイは2013年当時、4歳。
2009年5月サンピアザ生まれなので、わたしは3か月齢の時に会ってますが、サンピアザの方もまだ記事をちゃんとまとめてません。2009年8月の記事をとりあえずリンクしときますが、未整理状態で申し訳ない。2009年といえば、なにしろまだわたしはドボク写真家だった頃。この記事ってひょっとすると「マイファーストカワウソ記事」かもしれない。

カワウソかわいい、なんてタイトルもないもんだと今だから思えるが。このベビうそ↑の中に後のダイがいたはず。このへんの撮影データも埋もれているものがあるはず。要発掘だ。

このどすこいカオルさん、なポーズがたまりません。
今回、両者の識別ポイントをあらためて確認しました。この方向からだと、しっぽの先の形状です。カオルさんはしっぽの先が細いです。

同じく、この角度だと上顎の半分が黒いことがわかります。

こちらは手前がダイで後ろがカオルさん。この角度からだと、耳の形状で区別します。ダイの耳は単純な形ですが、カオルさんの耳は途中がちょっと尖っているような形です。それと鼻の上の白い毛の面積が多い方がダイです。

ちょっと休憩。

そうそう尻尾の形でしたね。見ての通り、ダイのしっぽは先が丸いんです。

これは難しいですね。上顎の模様から判断するとカオルさんかなと思うけど。

毛が濡れて、しかも見上げの角度だと難易度高いですが、上顎の模様から判断するとダイ。

しっぽが丸いのはダイです。

イカミミジャンプではなく、とりムネジャンプ。カオルさんです。
そういえば2頭とも主食が魚ではなく、肉でした。鶏胸肉と牛モモ。カオルさんはダイエットのため、さらにサツマイモも食べていたようです。下の説明板は出しておかないと。

この説明板だけ、データの都合で2012年撮影です。内容は変わってません。

ラッコみたいにジャンプしないので、とりむねが落ちてくるのを待つ感じです。
たまたまですが、手のあげ方が「みんな!またね〜」って感じですね。カオルさん、ダイくん、いつかお空の向こうで、また会いましょう!
次のカワウソ/ラッコ発掘まで、また少々お待ちください。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
