理解不能であることは

なぜ逆さなのか、というストレートな疑問が飛んできた。そろそろ来るのではないかと、思ってはいた。長い時間をかけて展開した結果として立ち至った事態について、簡単に話をするのは難しい。ただ手短かに言えるのは、「逆さ」は何かへの回答(言い方を変えれば、何らかの効果への意図)として機能してはいない、という点だ。むしろ「逆さ」は問題を提起している。なぜ上が上で、下が下なのか。実を言うとそれは新しい問題でもない。画像(とりわけ写真画像)を紙やフィルム以外の装置に展開させた途端に、これまで隠ぺいされいた問題がたまたま浮上してきた、と考えてもいいのではないか。近い将来、もし電子装置が紙並みのポータビリティを持ちえれば、この問題は再び棚上げになるようにも思われる。今言えることは、問題を考えることに参加してほしい、ということだ。最後に蛇足ながら先人の言葉を借りてくると、「『理解できない』とは、さっさとレッテルを貼って『消費してしまえない』ということ、だから理解不可能であることは本質的なのである」(Gerhard Richter)

Vintage article seriesは、1997年から2004年まで、わたしの作品サイト上にあったログ的なコンテンツを、本ブログ『Das Otterhaus』に復刻的に再掲した記事群です。ブログなどCMSが普及する前の時代に手書きHTMLで日々追記されていた記事は、展覧会などのお知らせ、雑感、制作上の試行錯誤の記録などが混在しています。その多くは字数も少なく画像のサイズも小さく、今の基準からするとコンテンツとしての価値はありません。しかしこの年代にこのような記述があったという事実は残すべきであると判断し、ブログの基層としてのデータの蓄積を維持しています。[2026年5月]
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