梅雨前の最高の季節にあって

1999/05/29 Tokyo

●土曜日、午前2時6分。展覧会の予定は全くなく、進行中のプロジェクトも一時頓挫状態。それでも日付だけは毎日欠かさず撮り続けている。時の進行スピードはどうしようもなく絶対一定で、その確固たるシステムには手も足も出せない状態。くやしいが時の流れに抗すことは誰もできやしない。誰もが1日24時間、という至極平等な配給に甘んじているのだ●今は一番きつい時でもあるような気がするし、同時に一番気楽な時でもあるような気もしている。こんな季節、梅雨前の最高の季節にあっては今までに旅したあちこちの街のたたずまいが思い出されて仕方がない。下関、新潟、帯広、麗水、アンカラ・・・思い出す順番も場所もぐちゃぐちゃだ●それより何より引っ越しを前にして、あと数週間後にわたしの知らない誰かが、この場所、今わたしが座っている場所に座っているだろう、という確実な予測がどうにも気になって仕方がない。賃貸住居である以上、仕方のない現象なのだが、どうにもこうにも、にわかには納得しがたい。感覚がむちゃくちゃに乱れている。何とか落ち着かなければいけない。

タイトルとURLをコピーしました