Vintage article series: Humdrum 19971020 – 19991231

●何年かに一度ぐらいのペースで、山道を歩いていると突然視界が開けて海や大河が現れる、という夢を見る。あるときは霧の中の静かな海だったり、強風と強い光の中で真っ白な飛沫が足元をすくうような海だったり、する。今朝見た夢は、大河だった。一見黒い海のような水だったが、よく見ると対岸が見えるので川なのだろう。黒いと思った水は実は透明な深い緑色の水で、光の拡散がほとんどないために黒く見えるのだった。自分はというと山道を上りきった牧草地のようなところに立つ、小学校だか中学校だかわからない大きなコンクリートの建物の中から、その川を見下ろしていた。階段の踊り場にある掃き出し口のような細長い窓を通してだ。もちろんカメラを持っているわけだが、今回は現実を反映してデジタルカメラだった。そしてどうしてもシャッターが切れなくて焦る、というお定まりのパターンを経て目が覚める。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
