サイトごと消える、軽さ

三宅章代 [Broken Link : http://www.about1380.com/] のサイトが過激になった。リンク集やら何やら、いわゆるお約束のコンテンツを全部放擲して、作品だけで勝負を挑んでいる。しかも最後のイメージのクリックと同時に、なんとウィンドウごとすべて消滅するのである。終っても本体がだらだら残っていたりなど、しない。見終わったらさっさと消えるのがデジタルの作法だよ、と言わんばかりの始末の良さ。サイトごと消える、という身のこなしの軽さ。その潔いふるまいにちょっと感動している。今までこれをやった者は誰もいなかったのだ。今日のトップには東京都写真美術館の「ズレ」に対するいらだちが、彼女なりの優しい言い回しで書かれていた。でもその背後には相当な毒が覗いているのだ。「今の写真」という現象と、弱いながらもある種の権威がそれをのさばらせていること。ある人たちが死にそうな患者=写真にだらだらと、あてのない延命措置を施しているということ。もちろん三宅章代はそんなことまでぐだぐだ書いていないが、そのいらだちの根底にあるものまで見抜いているに違いない。
小林のりおが昨日書いている。『「写真 (イメージ) は手で破くことができない」それが「写真」ということ』。ウェブ上の現象をまともに見ないことには、もはや写真を語ったことにならないということだ。イメージは決して物質などではないという単純な事実。それにまだ気づかないおめでたい評論家たち。いよいよ哀れなものだと思う。

Vintage article seriesは、1997年から2004年まで、わたしの作品サイト上にあったログ的なコンテンツを、本ブログ『Das Otterhaus』に復刻的に再掲した記事群です。ブログなどCMSが普及する前の時代に手書きHTMLで日々追記されていた記事は、展覧会などのお知らせ、雑感、制作上の試行錯誤の記録などが混在しています。その多くは字数も少なく画像のサイズも小さく、今の基準からするとコンテンツとしての価値はありません。しかしこの年代にこのような記述があったという事実は残すべきであると判断し、ブログの基層としてのデータの蓄積を維持しています。[2026年5月]
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