Vintage article series: CAXAPOB 20030111 – 20030923
三宅章代 (http://www.about1380.com/) のサイトが過激になった。リンク集やら何やら、いわゆるお約束のコンテンツを全部放擲して、作品だけで勝負を挑んでいる。しかも最後のイメージのクリックと同時に、なんとウィンドウごとすべて消滅するのである。終っても本体がだらだら残っていたりなど、しない。見終わったらさっさと消えるのがデジタルの作法だよ、と言わんばかりの始末の良さ。サイトごと消える、という身のこなしの軽さ。その潔いふるまいにちょっと感動している。今までこれをやった者は誰もいなかったのだ。今日のトップには東京都写真美術館の「ズレ」に対するいらだちが、彼女なりの優しい言い回しで書かれていた。でもその背後には相当な毒が覗いているのだ。「今の写真」という現象と、弱いながらもある種の権威がそれをのさばらせていること。ある人たちが死にそうな患者=写真にだらだらと、あてのない延命措置を施しているということ。もちろん三宅章代はそんなことまでぐだぐだ書いていないが、そのいらだちの根底にあるものまで見抜いているに違いない。
小林のりおが昨日書いている。『「写真 (イメージ) は手で破くことができない」それが「写真」ということ』。ウェブ上の現象をまともに見ないことには、もはや写真を語ったことにならないということだ。イメージは決して物質などではないという単純な事実。それにまだ気づかないおめでたい評論家たち。いよいよ哀れなものだと思う。

