Vintage article series: Humdrum 19971020 – 19991231

酔っ払って帰り道、本屋に寄る。週に3回は本屋に行く人間だがこのところどうも本屋に接する調子が変化してきたように思う。以前なら何も収穫がないといくばくかの失望とともに店を出たものだ。最近は何だかザマーミロ、もう印刷メディアの時代は終わりつつあるのだ、なんて比較的晴れ晴れとした気分で出てくるようになった。文芸書や文庫本はそんなことはないのだが、雑誌に対してはどうにもそういう敵意のような気持ちがつのる。毎月々々、雑誌の発売日を楽しみにしていたような時代はもう彼方に過ぎ去ってしまったのだろう。複雑な思いで店を出て腐れた光の中を帰る。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
