東京湾岸丘陵地帯

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中防に行ってきた。ちゅーぼー。

中央防波堤内側埋立地、中央防波堤外側埋立処分場、新海面処分場、というのが正式な名前らしい。略して中防。東京都内最後の埋立地と言われている。

GPS絵師の石川さんがいつも、江東区(とかそのへん)で最も標高の高い土地は中防だからぜひ行こう!と言ってて。で、カシミールで見せてもらうと確かに中防の一部は山の手なみに標高が高い。何かの間違いじゃないのと思うほどだ。30メートルちょいあるそうだ。

中防がもし真っ平らなだけの埋立地だったら、あまり行ってみたいとは思わない。でも丘のようになっていると聞いたら興味が湧いてきた。そしたら壁クイーンの杉浦さんがツアー参加の算段をしてくれていた。渡りに船、じゃなくてわれわれは海底トンネルを通って上陸した。いつのまにか一般車も通れるようになっていたのだ。

しかし、だ。お台場とか青海とか、湾岸の見慣れた街の先に、こんな荒野な丘陵地帯があったとはなあ。

東京も捨てたもんじゃないな。土地は「捨てたもん」でできてるけど。

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中のゴミ見えちゃてるけどね。あまり気にならないよ。とにかく今は丘を感じることが重要だ。

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こんな標識が出てる。「皮くず」って何だ?とか一瞬思うけど。それより今日は丘を見に来たんだ。

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先端部ではこんな感じで、今もせっせと丘陵を作っている。

この丘は50~70年かけて沈み、安定した土地になるのだそうだ。自分が生きているうちに結果が見えないというのは実に土木的時間感覚。

中防の中の人はしきりに「この埋立地はあと50年でいっぱいになるよ(だからゴミ減らせ)」と危機感をあおるのだが、丘陵のはずれにある展望台(ちょっとにおう)から埋立進行中の新海面処分場を見ていると、早くいっぱいになって陸地にならないかなあ、とすら思えてくる。

自分的には、

「目の前で新しい土地が誕生しているじゃないか。喜ばしい」

という生成のパワーに満ちた天地創造的価値感が、「処分場がいっぱいになったらもうゴミ捨てる場所がなくなって困ったことになる」という現実的悲観的予測に基づく社会的倫理的価値感に勝ってしまっていた。

おそらくオランダを見てしまったからだろう。海を埋め立てて陸を作ることに対するオランダ人の無闇な情熱に、半ば辟易しつつも感動したせいだと思う。オランダ人たちに中防見せてやりたい、と思った。ゴミで土地作れるもんね、というような自慢は微妙な感じだけど。

そうそう、中防の予習をしてた時にこんなの見つけた。

中央防波堤の賃貸住宅

【追記】
chubo360 | chubo02
30mのサンドイッチ
都内の大平原
懐かしい島。

そっか!
中防の風景に血が騒ぐのは、いわゆる原風景的な記憶との照合が起きるためだった。自分も人格形成期とその後しばらく、高低差のある地形(丘陵に造成中の新興住宅地を出入りするような通学路、とか)の中で暮らしてた。そういえばスリバチもあったし階段もいっぱいあったわ。どうりでその辺に興奮するわけだ。

コメント

  1. バドン より:

    該当物件が無いですね。ううっ。

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