引き出しがいっぱいある、で思い出した

引き出しがいっぱいある、で思い出した photo 6
1999/04/21 Tokyo

●わたしは狭く、限定したジャンルの行動は指向しない。いや実は、やりたくともできないというのが正しい。今までもずっとそうだった。機械工学、デザイン、写真と来ているがどれもはみ出す部分が50%を越えてしまうようで、真当にそのジャンルでプロパーにやって来た人たちとどうも話がかみ合わない。つまり現代人(わたしは何々です、とはっきり確定することができるのが現代人の条件の一つである)としての素質に欠けているのであろう。どこにも居場所のない、Nowheremanということになろうか●おまえは引出がいっぱいあるから、という褒めたとも哀れんだともつかぬ評価を受けたことがある。喜んでいいのか悲しむべきなのか、わからなかった。引出で唐突に思い出したのだが、子供の頃、自転車でダンゴを売りに来るおっちゃんがいて、注文に応じてゴマ、あんこ、しょうゆだれのどれか一つをヘラで塗って渡してくれたものだ。自転車に積んだ商売道具にはそれぞれの小引出があって、おっちゃんはその都度小さな引出を開けたり閉めたりして楽しそうに仕事をするのである。引出というもののわたしの原体験なのだろう●わたしの好きなダンゴは、片面あんこで片面しょうゆ、というオーダーだった。今考えると気持ちわるい。

Vintage article seriesは、1997年から2004年まで、わたしの作品サイト上にあったログ的なコンテンツを、本ブログ『Das Otterhaus』に復刻的に再掲した記事群です。ブログなどCMSが普及する前の時代に手書きHTMLで日々追記されていた記事は、展覧会などのお知らせ、雑感、制作上の試行錯誤の記録などが混在しています。その多くは字数も少なく画像のサイズも小さく、今の基準からするとコンテンツとしての価値はありません。しかしこの年代にこのような記述があったという事実は残すべきであると判断し、ブログの基層としてのデータの蓄積を維持しています。[2026年5月]
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