Vintage article series: Humdrum 19971020 – 19991231

この高温多湿な季節になると毎年ラテンの血が騒ぐ。といっても聞く音楽の話であっていきなり服装や髪形や言動がラテン化するわけでない。普段は格好つけて現代音楽とか、ちょっと隔離されがちな70年代プログレとか聞いていることが多いのに、なぜかこの時期は一転してマンボやサルサ、チャチャチャになってしまう。ペレス・プラード楽団を聞きながら、いっしょに「うーーーっ、あ☆」とか叫んでしまうそのワケは昨年の夏に気が付いたのだが、一種の「刷り込み」だったのである。わたしが産まれたころにご両親様が買ったばかりの家具調ステレオで聞いていたのがたぶん「チャーリー石黒と東京パンチョス」とか(違ったかも)そのあたりで、まだ限りなく白紙だったご幼少のわたしの脳ミソにすっかりそのボンゴ~コンガによるリズム構造と吠えるホーンセクションを刻み付けてしまったらしい。ああ生涯消えない、楽しくも深ーい傷。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
