Vintage article series: aperitif 20020103 – 20021205
BWV1004。パルティータ・ニ短調。リュート用のアレンジは情感が出過ぎのような気がする。
小学生の時、田んぼの畦道に捨てられていた古いラジオから引き抜いた真空管が実家の押入の中にあったのを、1年前に持って帰った。簡単なアンプをこしらえてみたら、25年以上(拾った当時でも相当古かったのだからおそらく計40年以上)寝ていたのにもかかわらず、ちゃんと鳴ったのには驚いた。同時に持ち帰ったこれまたラジオ用の小さな楕円スピーカーにつないで、ごく小さい音で夜中に鳴らしている。こんな簡素な装置でも、伝わるものはきちんと伝わって来る。技術の進化とはいったい何なのか。
長い間放ってあった水門ページの改造に着手する。何とかしてデータベース化したいのだが、どうも脳がデータベース向きに出来てないらしく、今回もすでに挫折ぎみ。なにしろ水門ページを楽しみにしてくれているひとが意外なほどたくさんいて、夜中にひっそりと楽しんでもらっている姿を想像すると、やはり何とかして理想的な状態に近づけたいと思えてくる。
技術だけでもなく、表現だけでもない、ある種の高みを夢見ながら。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
