盛岡市動物公園のカナダカワウソ特集、最終回です。カナダカワウソの魅力、もっともっと引き出したくなってきました。
カナダカワウソって、犬っぽいですよね。もふもふの大型犬の雰囲気があります。カナダが犬だとすると、いつも見慣れているコツメカワウソなどはかなり猫っぽい。いや、別に世の中を犬と猫で二分し尽くそうとかそういう野望はありません。何となくそんな感じがするってだけなので、反論とかしても無駄ですよ。
手だけ見るとクマっぽくもあります。
しかし面白いなあと思うのは、こんなに毛がもふもふしているのに・・・
水の中ではこんなにぺっしゃんこになってしまうこと。ほとんど別のスリムな動物だよねw。
「なんだあ?ケンカ売ってんのか?」
いや、そんなことはどうでもよくって、問題はお侍さまの名前でした。どうしたもんだろう。
この立派なしっぽから直感的に「侍!」とか思ったわけだけど、実は面白い偶然があることに気が付きました。
盛岡市動物公園のカワウソ舎のあるここ「ビクトリアコーナー」ですが、カナダのビクトリア市が盛岡市と姉妹都市の関係にあることから作られた、というのは前に書いた通り。
数日前、写真を整理していて、ビクトリアコーナーの由来の説明板をよく読んでみたのですよ。そしたら両市の縁組には、あの新渡戸稲造が関係しているということが書いてある。新渡戸稲造は盛岡市の生まれで、1933年になぜかカナダのビクトリア市で客死しているのだ。そんな縁で姉妹都市になったらしいのだけど、まあそんなの盛岡市民でもなければ知らんわなあ。
詳細はこちら。 ウェブもりおか:盛岡市ガイド:太平洋の架け橋に
だいたい現代日本人にとって新渡戸稲造って、樋口一葉になる前の古い5000円札に載ってた丸メガネのおじさん、というほどの認識しかないと思う。ところが実際は、『武士道』って本を英語で書いて欧米でヒットを飛ばした関係で、20世紀の初頭には外国でやたらと有名な日本人だった。いろんな人に影響を与え、BUSHIDOを世界に流行らせ、国際連盟の事務次長までつとめている。こりゃすごい人だ。こんなビッグな日本人、今いないよ。20世紀初頭じゃなくて、いま必要だこういう人物。
それで、何が言いたいかというと、
新渡戸稲造 → 武士道 → 侍 → カナダカワウソ
という摩訶不思議な連鎖の流れである。
最後のひとつはあなたが勝手に連鎖させてるだけだろう、と言われたらその通りである。でもよく考えてみてほしい。ふつう、カナダカワウソ見てとっさに「侍!」とかひらめくだろうか?
ひらめかないでしょ?どう考えたって。ぜんぜん関係ないもんw。しっぽが立派で刀みたい、ってのは後付けの理由でした正直なところ。
だからわたしがこの個体に何の根拠もなく「カナダ侍」と仮の名を付けたのは、何か偶然以上の不思議な力が作用したとしか思われないのだ。とてつもなく大きな何かの力、だ。
となれば、もうこのカナダカワウソの名前は決まったも同然。
「イナゾー」
これしかないと思う、本当に。どうかご検討ください。>各方面
・・・
さて、カナダカワウソといったらこのポーズです。どのカワウソもやる「後ろ足でノドをカイカイ」ポーズですが、すらっと首が長いカナダがやるともう別物。それはもう凛と張りつめた空気を感じるほどです。
もうひとつ、カワウソといったら「クネクネゴロゴロ」毛づくろいですが、このアクションもカナダがやるとなかなか迫力があります。
イナゾー(仮)は泳ぎながらもガラスごしに外を眺めます。常に外の世界に対する興味を失わない姿勢は立派です。
この知性あふれるまなざし。やっぱりただ者ではなかった。
「おっと、あれは何だろか?」
いきなり方向転換。ドリフだったら後ろがみんなコケる場面です。水かきのある大きな手に注目。
ほんっと、いい味出してるなあ。
「ぶわぁっくしょい!」
「盛岡で待っとるよ。」
「かわいい」を超越したところにある、渋いカワウソの魅力をいっぱい見せてくれるイナゾー(仮)、元気で長生きしてほしいものです。みなさんも会いに行ってくださいね。
【追記・2010/08/15】
Mayさんが、メスが存命だった頃の写真を公開されておりました。2007年5月の撮影です。仲良しだったんだなあ。
cache-cache ? Blog Archive ? 恋の季節 #05
しかも、当時は名前も表示されていたそうです!
オスが「カンタ」で、メスが「カエデ」とのこと。
これにて一件落着か?と思ったのですが・・・ここで新たな謎が浮上。
Mayさんのメモ写真を見せてもらったところ、名前の表示板には「平成11年5月30日」とあります。平成11年とは1999年です。イナゾー(仮)が生まれたのは2000年の春と聞いてますので、イナゾーがカンタだとしたら、つじつまが合いません。二代目カンタ、みたいに襲名とかしてない限りは。
盛岡市動物公園にのカナダカワウソには先代夫婦がいたとも聞いてますので、カンタとカエデは先代の名前だった可能性もあります。
ちなみにMayさんのブログにはカナダカワウソがいっぱい!カナダファンは必見です。
コメント
勉強になりました
イナゾーさんはたしかに、可愛いというよりは、鹿児島の老師様と同じような威厳をお持ちですね。
ポンちゃんたちと違って、タメ口なんかでは話しかけられないオーラがあります。
ああ、いいですねえ、イナゾー(決定)。
コツメちゃんも可愛いのですが、でかいカワウソも素敵です。
札幌円山動物園にも是非カナダカワウソを招聘してほしいものです。新渡戸稲造とも関連が深いし。
もう、イナゾーとしか思えません!
これ以上ぴったりな名前はありませんよ。
盛岡市動物公園へ行って、
ご意見箱(あるかな?)に投書して来ます!
コツメさん以外では、ユーラシアさんにしか
お会いしたことがありません。
カナダの大自然を思わせる、イナゾー氏から
カナダのかほりを感じたいです。
>kittoさん
新渡戸稲造の件はわたしも知りませんでした。威厳のある大人カワウソもいいもんですよね。
>きたきつねさん
そうか、新渡戸稲造は札幌農学校。円山もついでに旭山も、カナダカワウソを入れてほしいものです。
>のんすけさん
そう言われるとほんとにもうイナゾーでいいんじゃないか、という気がしてまいりますw。投書よろしくお願いしますー。
名前の件で追記しました。
謎が深まります。