Vintage article series: Humdrum 19971020 – 19991231
●これを読んでくださっているみなさんにお願いがある。このページ [Broken Link : http://www.seide.musabi.ac.jp/SENKO/miyake/about1380.html] を読んで、彼女に「今、聞くべき音楽」を教えてやってほしい。好き勝手に、自分の好きな音楽の話しをぶちまけていただくのでも全くかまわない。実は彼女はわたしの教えている学生の一人なのだが、そういう事情があるとは今まで知らずに接してきたのだ。もし本当に難聴になっちゃうのだとしたら、それはとても気の毒なことだが、わたしが気になっているのはそのこと自体ではないようだ。普段、いい加減な気持ちでいろんな音楽を聴き飛ばしてきた自分の今までのやり方を振り返るいい機会になった、などと軽く流せない何かを考えてしまった。うまく説明する自信がない。情報を摂取する必然性の強度の問題、か。自分の耳があと数年以内に聞こえなくなる、あるいは自分の目があと数年以内に見えなくなる、そういう切羽詰まったシチュエーションにおいて、人間の情報摂取のモチベーションに加わる強力な加速状態というものがあるだろう。それが何かしらとてもとても興味をそそるのだ。だめだ。今の考えを全くうまく言葉にすることができない。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
