いずれどこかの船宿がやるだろうとは思ってたんだけど。こうはっきりと「閘門体験」をうたったものは初めてなのではないか。
しかしコース設定がいかにも惜しい。Bコースでは扇橋閘門、Cコースでは荒川ロックゲートをそれぞれ通過しているんだけど、どちらもまた元のルートに引き返してしまうのだ。隅田川→小名木川→扇橋閘門→荒川ロックゲート→荒川、と一直線に抜ければよさそうなもんだけど、これがなぜかできない。途中に何かイヤなものでもあるのか。水深が超浅いとか、海賊が出るとか、無体な関所があるとか。
Cコースは、隅田水門を抜けて荒川を下り、荒川ロックゲート出たり入ったりで、先日の「東京水辺ライン」利用の水門ツアーのほとんど逆まわり版だが、新砂水門と豊洲水門を抜けるオプションが付く感じだ。これで30人集まったとするとひとり4550円。いかに公営である東京水辺ラインの料金設定が安いか、ということがわかるな。
いずれにせよ「歴史クルーズ」というまだまだ従来型の感覚からもう一歩、前へ出る勇気が必要だ。「インダストリアル指向の屋形船」というところまで、あともうちょっとだ。東京は江戸情緒だけに頼らなくても済むだけの、もの凄いユニークな近現代景観資源を持っていると思うのだ。
何だか偉そうなこと言いそうになってきたので、このへんでやめとく。