
月島駅の「出口1」の主要な行先は、なんと佃水門である。
水門ツアー中に見つけた。今まで気付かなかっただけで、水門は東京メトロ/都営地下鉄の一般乗客の、ごくごく普通の目的地として、とっくに認められていたのである。わたしごときが心配することなど何もなかった。もう水門はひとりで十分やっていけてたのだった。
ええっとご参加のみなさん、心温まるようなコメントありがとうございました。中でももっとも壮絶だったのが石川さんのこのエントリ。
そういえば石川さんは(おそらく熱で朦朧とした状態で)このフラットさは許せん!とか叫んでらっしゃったような記憶が。アウェイにもかかわらず見事な戦いっぷりに感動です。
言われてみると、たしかに今回まわった水門はだいたい街角にあって、周囲の建築物と妙に居心地の悪そうな共存をしている。埋立地の水門は最初はスタンドアローンで長閑なものだが、周囲が建て込んでくると徐々に異物化するのだ。さらに埋立地の街も代が変わって土地の用途が別のものになったりすれば、異物感はもっとパワーアップする。普通の街なのに「角を曲がると水門」というような、唐突な展開の風景ができあがることになる。
今までは(というか今でもか)水門しか眼中にない形であの辺を歩いていたので、その唐突さをことさらに意識していなかったと思う。しかし今回のツアーでさまざまな眼を持った人たちと一緒に歩くことによって強制的に多視点化させられたようだ。上記のような新たな視点を獲得できたことは得難い体験であった。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
