
金属のかたまり。
材質はおそらく黄銅。厚いクロームメッキがかけられている。滑らかな仕上げの部分と、削り痕が残るの肌の部分が混在している。
先端部に支点を持つ。弓なりに作られた把手を片手で握り込むことによって、開口部の内側に設けられた角柱状の部品が動く。
その部品の先端には凸状に文字が形成されている。文字はひらがなの『と』であり、その周囲を正方形の枠が囲んでいる。凸状の部品の反対側には、同じ文字が凹状に形成されている。
開口部に紙を差し入れて握ると、はさんだ紙に部品が食い込み、紙に文字を型押しすることができる。
開口部には把手と連動して動く円柱状の部品もある。円柱の先端は鋭く、開口部の反対側には円柱が出入りする穴が設けられている。これによって紙には文字の型押しと同時に、小穴を開けることができる。
把手の内側には鋼製のコイルばねがはさみ込まれている。バネを所定の位置に固定するために把手の内側には円柱が植えられている。コイルの径は均一ではなく、両端が細く、中央部にかけてなめらかに太くなる。
開口部中央付近に亀裂がある。
開口部付近に、型押しされる文字と同じ文字が打刻されている。
塗装された金属板の上に置かれている。右側に汚れあり。
冬の夕方の色温度の低い照明。拡散状態がほどほどなのか、表面の状態が滑らかでないためなのか、顕著な映り込みは見られない。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
