『DUCK BOAT』をレコード棚から引っ張り出して来ました。
ほら、B面(政風会サイド)の1曲目、ちゃんと「水門」でしょ? 考えてみるとA面(カーネーションサイド)の1曲目のタイトルなんか「空色のコンビナート」だもんなあ。完全に20年後の今日を予言してるよね。そういえば工場萌えの石井さんも、ムーンライダーズの『マニア・マニエラ』やビートニクスの『出口主義』における工場感覚を本の中で紹介してたし。何だかインダストリアルロマン主義、みたいな感覚で太い連鎖が見えてきた感じがするぞ。
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そんなことを考えつつ、耳の方は政風会の『政風会』、聞いてる。
直枝さんと博文さんの曲が交互になってて、つまり「荒々しいのと超枯れたの」(鈴木博文インタビューより)が交互にやって来るという構造。『DUCK BOAT』やドントラの「ボクハナク」でのあのデュオの一体感だけを期待して聞くと、最初あれっ?と思うかも。「政風会はちょっとホモっぽいんだよね、それをウリにしてる(笑)。」(同インタビューより)と博文さんが言っているのはその一体感覚なのかもね。実際、この二人の声が重なると、もう胸がきゅんっとなる時があるだよ。後半、7曲目の「風車」以降はだんだんコーラスがいい感じになってきて、きゅん!な瞬間がちょこちょこと現れるのだ。
最後に1曲のボーナストラックは85年の未発表「霧笛」で、これはまさに『DUCK BOAT』の頃の声と音!!!『DUCK BOAT』好きはこれ聞くだけでも買う価値があります。歌詞も湾岸インダストリアル感覚全開。
橋のアーチが濡れる・・・