山田五郎さんの番組、ようやく自分で見た。小学生の頃、はじめてテレビのクイズ番組に出た時のことを思い出して、何だか気恥ずかしくなった。基本的に入れ物としての自分を外側から見るのは好きではない。でもテレビの中で調子に乗ってしゃべっている自分は、客観的に見てそれほど違和感がないことを発見した。こういうキャラは場面によっては使えるぞ、というか、オールラウンドでは使えないけど、特殊用途がないわけではないぞ、というか。要するにイロものの類。
冒頭で五郎さんが「ダムならわかるけど何で水門なの?」というような問いを発するのだが(ダムならわかる、というのもよくよく考えてみると凄いんだけどね)、それに対してあたしは「ダムの一部を引っこ抜いて川に持ってきちゃったのが水門ですね~」みたいなおマヌケにストレートな答えをしている。ああ恥ずかしい。もっと気の利いた答えはなかったものか。
つまりあの時は水門とダムの違いをちゃんと認識してなかったということだ。物理的な違いじゃなくて、どういう傾向の人はダムに惹かれ、どういう傾向の人は水門に惹かれるのか、というような文系的な違いだ。実は五郎さんはその辺を見抜いていて、そっちへ話を持って行こうとエサを撒くのだけど、あたしは突っ走って舞い上がった素人さんに徹しており、全く食いついていない。こりゃダメだ。ほんとにあたしは人の話聞いてない(笑)。
で、その違いなんだけど、さっき風呂に入っていて気がついた。ダムマニアはダムに車で出かけるが、水門マニアは歩いて(電車で、バスで)出かけるのだ。実はこの行動パターンの違いが、両者の違いを解くカギなのだ。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
