もう9月だ。
昨日は『アートみやぎ2007』で一緒だった、及川聡子さん、加藤千尋さんの個展に出かけた。
●及川聡子展
ギャラリー山口 9月1日まで
身も蓋もない言い方をすると、枯れ草が氷に封じ込められた状態、を描いた日本画なんだけど、氷の向こう側が透けて見える部分がとりわけ視覚的な快感を呼ぶ。常時、彩度プラス側いっぱいの視覚生活をしているわたしは、このぐらいの抑制の効いた色使いのできる及川さんの感覚がうらやましくて仕方がない。
ところで、この枯れ草が氷づけになった状態って、みんな見たことあるのかなあ、という話になった。
基本的に冬は晴天が続いていて、ある日低気圧が来たときだけどかんと雪が積もり、翌日また晴れてあっという間に積もった雪がシャーベット状態になり、朝の放射冷却でその溶けかけた雪がガチガチに凍る、というプロセスでできるのだと思うのだが、野原がこんなことになるのってひょっとして東北の太平洋側の一部地域だけだったりしない?
及川さんによると、画面の白いところを指して「これビニールですか?」と聞く人もいるらしいので、やはりみんな一瞬で了解、ということではないらしい。
当たり前と思っていた自然現象が、実は「地域限定」らしいと気がついてすごい得した気分だった。小学生だったわたしは、その氷をバリバリ割って歩くのが好きだった。表現がバリバリで、中はふかふかなのだ。へっへっへ。みんな知らんでしょう?
そんな話をしてたら、次に回ろうと思ってた加藤千尋さんは来るわ、宮城県美術館の三上さんは来るわで、何だか同窓会みたいになった。みんな行動パターンが一緒ってことか。
【加藤展に続く】

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
