musabi.comの手羽さんのマネをして、「恋する水門のあるお店」をやってみる。
←あおい書店六本木店。撮影 by ふっちー。
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『熱中時間』や『工場萌え』でおなじみ、『住宅都市整理公団』の大山総裁が、別棟の方で立て続けに恋水の表紙を貼り出してくれている。くすぐったくてうれしい。
要するに文化には相応のサイズがある、ということなのだな。いきなり大上段に構えると。
でかくて、ブ厚くて、堅い、つまり立派な写真集っていうやつは、きっと欧米の文化から出てきたサイズなのだ。その真逆、つまりちいさくて、薄くて、ぺらぺらな写真集は実に日本的だ。
最近、携帯を変えた。PHSなので正しくは携帯とは言わないが、世の中では「携帯を変える」ってのがイディオム化してるので携帯と書いておきますがね、とにかく10行表示ぐらいのメールしかできない液晶から、いきなりフルブラウザ対応という環境に激変した。浦島太郎か!おれは。携帯用じゃないPC向けのウェブサイトが、おそらく本文3ポイントぐらいの字で表示される。やっぱり老眼鏡も買わんといかんなと思いつつも、見慣れたサイトがちっちゃく表示されるのは、かわいい。
携帯とかPHSとか言っている場合じゃない。これ、もはやPCの実動フィギュアだ。爪で打つしかないフルキーボード(笑える)もついてるし。
もっと字を大きくして読みやすくしろとか言いたいわけではなく、かろうじて読める大きさ、使える大きさという限界が、確実に下の方に伸びていることに単純に感動してしまった。人間の方がそれに付いて行かないといけない、というか付いて行きたくなる魅力がある。
日本人の手にかかると、あらゆるものがスケールダウン=高密度化する。こりゃすごい。21世紀の日本のインダストリーの基本コンセプトは決まった。何でもスケールダウン、だ。
クルマなんかも、大型化とか大排気量化とかふた昔前のアメリカ人みたいなことやっている場合ではない。子供が足で漕ぐおもちゃの車みたいな大きさで、4人乗りで200キロ出せて安全、みたいのが欲しい。電車に持ち込めるクルマ、とか。電子レンジなんかも、料理の中に突っ込んで内側から電磁波出して過熱する「電子レンジ棒」みたいな方向へ進化だ。一家に一台、火鉢みたいな家庭用原子炉なんかも普及するね絶対。いっそのこと遺伝子いじって人間もスケールダウンしてしまう。そうすると飛行機は同じ燃料で何倍もの人数を運ぶことができるし、地球の資源もずっと長く持つ。
だから写真集が小さくなるのは理にかなっている。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
