ゼミ展終了

問題はウェブ空間と現実空間をどうやって共存させるか、という点に尽きる。ウェブだけでは強度が足りない。では現実空間で無心にがんばっていればそれでいいのかというと、やはりそこには何かしらのしらじらしさが漂う。無心の行為に単純に感動してしまえるほど、われわれは素朴ではなくなってしまっている。ウェブの存在を全く無視した表現活動はもはや考えにくい。すべての表現活動は、他の人に何らかの情報を伝える行為である以上、その伝達媒体の変化という現象に無関係ではいられないからだ。
ところで、突然ではあるが人間はオカルトがないと生きていけない。今のデジタル環境で欠けているものは実はその部分だったりする。オカルトというと何だかマガマガしい感じがするので表現にまつわる神秘性、とでもしておいたほうがいいのかもしれない。画像でも音でも想像しやすい方を想像してもらえばいいのだが、とにかくデジタル化によってノイズレベルが下がったことにより、いままでもやもやーっと存在していた闇が退行した。すると今まで神秘と思われていた現象の化けの皮がはがれ落ちることになる。しかし闇のない論理だけの清明なデジタル世界では、人間は基本的に、もたない。そこで再びオカルトを導入することになるのである。デジタル時代の表現というのは、オカルトの導入方法が今までとは違ってくるはずなのだ。きっとそこが突破口だ。

Vintage article seriesは、1997年から2004年まで、わたしの作品サイト上にあったログ的なコンテンツを、本ブログ『Das Otterhaus』に復刻的に再掲した記事群です。ブログなどCMSが普及する前の時代に手書きHTMLで日々追記されていた記事は、展覧会などのお知らせ、雑感、制作上の試行錯誤の記録などが混在しています。その多くは字数も少なく画像のサイズも小さく、今の基準からするとコンテンツとしての価値はありません。しかしこの年代にこのような記述があったという事実は残すべきであると判断し、ブログの基層としてのデータの蓄積を維持しています。[2026年5月]
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