『旅のモザイク』

澁澤龍彦が続きます。南イタリアと中近東と日本列島の旅行記。南イタリアに関して言えば、同じ文章を別の本ですでに二度も読んでいるのだった。読み出してから気がついたんだけどね(笑)。異色なのは日本の旅行記。70年代の旅雑誌の連載ものなのだけれど、そんな仕事もしてたのか、とちょっとびっくりする。八重山で仏桑華=ハイビスカスのイメージについて再考したりするのはいいとしても、阿蘇で火山灰まみれになったり、竜飛崎で暴風に飛ばされそうになったり、知床で流氷のすき間に落ちかけたりというような話は全く澁澤のイメージと合わなくて、可笑しい。

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