
(2012年11月撮影)マリンワールド海の中道のラッコ、マリン。見てわかると思いますが、ベビーラッコをお腹に乗せています。
このところ、昔撮ったままで公開してなかったラッコの写真データを発掘し、最新の現像処理で何とか見られるようにする作業を続けています。
あまりに画質が悪すぎて、当時は公開に耐えないと判断したデータですが、ものすごく時間と手間はかかるのですが、現在の技術を使えば、うまくいくと自分でもびっくりするようなイメージが現れます。
今回のお話は枚数が多いので、3回に分けてお届けします。

こんなの撮れてたんだ!

マリン、まるで絵に描いたような子育てラッコ状態でした。

さて、このマリンの仔は掲示↑にあるように2012年10月18日生まれ。この日で17日齢でした。父は3月にアドベンから移動してきたリロです。『リロぼん』がお手元にある方は、p.84からの「飼育日誌」をご覧いただくと前後の関係がわかりやすいかも。

マリンとリロの仲睦まじい同居生活が続く(※5)
※5 この時期、マリンとリロの間に赤ちゃん誕生。残念ながら生後20日で死亡を確認
日誌に↑と書いてある時期の撮影です。

同じメインのプールにいたこの若いラッコは、マナです! 2012年3月の記事では人工哺育中で、毛玉ちゃんだったあのベビーラッコがすっかり大きくなり、子育て中のマリンと同居していました。

マナ、若ラッコなのでまだ黒い毛です。

あのビービー鳴いてた毛玉ちゃんが、すっかり立派なラッコになっていました。

人工哺育のために生後10日で別れてしまったマナとマリンの再会〜同居は、この前の月、2012年の10月はじめから、だったそうです。こちらの本(p.82-)に記述があります(あれ、絶版ですね)。

水族館スタッフのみなさんのご苦労を思うと、同居成功の喜びの大きかったことが偲ばれます。

マナは元気そうなので、マリンの観察に戻ります。
お腹の上のベビーラッコは元気そうに見えました。人工哺育になっていない、ということは、今回はマリンがしっかり授乳できている、ということです。

ラッコの子育ては話に聞くように、本当にずーっとお腹の上に乗せっぱなしなんですね。

しかし、マリンも子育て中とは言え、普通にご飯食べたりグルーミングなんかもしなくちゃいけません。

つまり、しばしばベビーちゃんを手放すタイミングがあります。

もらったイカを持った状態で、気にしながらベビーちゃんを水上に浮かせます。

ベビーラッコはマリンによってグルーミングされているので基本的に浮くわけですが、こんな姿勢になったりして、あぶなっかしい。

沈まないように、マリンがすかさずサポートします。

そしてまた、お腹に乗せようとしています。

無事に乗っかりました。

これがもう、延々とつづくわけですね。
ラッコの子育てって、想像以上に大変な事業であることが実感できました。ラッコは進化の枝分かれで海に進出したカワウソですが、子育てに関しては、陸上にいるカワウソに比べて、もうとんでもない綱渡りをやってのけているのですね。つくづくすごい動物だよなあ。
2につづきます。
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佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
