Vintage article series: Humdrum 19971020 – 19991231

原則的にその日の行動をもとにして書いているのだが、まあ場合によっては一日ずれることもある。昨日は好天の中、北上川方面へ撮影に出た。古い友人を運転手にこき使いながら(星君たびたびすいません)、歩いて回るのと比べて数倍の効率で撮影を終え、遅い昼食を取りに登米(とよま)の街へ入った。明治まで北上川の水運の拠点として繁栄した登米は、今ではしぼみきった街でなんだけど、なかなかどうして悪くない風情がある。だから近くを通ると用がなくてもついつい寄ってしまう。この10年あまり、みやぎの明治村とかいうコンセプトで明治期までの建築を復元したりして、真面目にいわゆる町おこしをやっている。復元建築につぎ込んでるためか、役場の建物がボロボロのままだったりするのが見えてしまったりする。そんなところがご愛嬌というか、図らずも町の真面目さが露呈しているようでかえって好感が持てる(穿った見方ですいません)。復元建築はその筋の人にまかせるとして、ここでのわれわれの目的は、実は「川うなぎ」だ!かつての船着き場の真ん前、当時高級料亭が立ち並んでたというからまあ築地みたいなところか。そんな場所に今でも料亭崩れのうなぎ屋があってね、その看板に「川うなぎ」とあってそそるのである。ぼくは味音痴に近いので養殖のと北上川産のとの違いは表現できないんだけど、なんていうか飾り気のないぼそっとした味が、妙に登米という土地に合っているような気がするのである。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
