今週の火曜、AXIS Forum「土木の真髄ー暮らしのためのデザイン」というレクチャーに参加した。レクチャラーのひとり、天野光一さんは白石蔵王駅前のこけしの載った電話ボックスなどを例に出され、悪い景観デザインについて語られていた。そう、こけしなのである。どうもそのこけしが、いろいろと引っ張るのである。
こけしの載った電話ボックスなど、いわゆる「やっちゃった系構造物」については前から考えるところがある。やっちゃった系に対して明確な考えがある、というのではなくて、ずっと考えっぱなしで態度保留、という意味だ。やっちゃった系って基本的にダメダメなんだけど、じゃあ徹底的に一義的に悪なのか、と言われるとそうでもないと思えてしまうのだ。その徹底的には否定できない部分って一体何なんだよ、と聞かれたらこれが皆目わからない。単なるシャレだ、とか言って済ませられる場ではそれでいいのだろうが、設置している主体は大まじめにやっているので、観賞する側としてもまじめに論じないとバランスが取れない、という場面もあるわけだ。
それを予感していたのか、先週この本「偽装するニッポン・・・」を買ってたのだけど、まだ読んでおらず、さっきようやく読了した。
結論から言うと、やっちゃった系についてはこの本(1996年初版)を読むとかなりクリアに位置づけできるようになる。公共空間の特性が変化し、建築がそれに追いつけなくなり行政が取って代わる。成果主義の行政は手っ取り早く話題となるのを狙い、商業エンタテインメントの文法を使ってディズニーランダゼイションが成立する、というアウトラインが明確に描かれているからだ。
何というか、少しずつコマが集まってくる感じで、面白くなってきた。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。

