荒俣宏著、ちくま文庫。日本がいちばんふくらんでいた時代に活躍しつつも、忘れ去られてしまった科学者たちを掘り起こしたもの。昭南博物館の田中館秀三教授、徳川義親侯爵に一章がさかれているので読んでみたわけだ。毎度のことながら荒俣さんの博覧強記ぶりが遺憾なく発揮されている好著でありました。ほんとにこのひとはすごい。
直接内容とは関係ないのだが、「博物学」って英語だと「natural history」なのね。今まで知らなかった(うわーはずかし!)。われわれは一般に「博物館=museum」と思ってるわけじゃないですか。そうすると「natural history museum」は「博物学博物館」と訳さなきゃいけなくなるわけだよね(笑)。それは変だから自然史博物館と直訳するしかないのだろうけど、これってよくある幕末~明治期に西洋由来の概念をせっせと漢語化した際のアヤなのだろうな。おそらく「museum」はhistory museumと、natural history museumと、ついでにart museumを全部そろえてないといけないのだろう。本来その「なんでもかんでも」性を指して「博物」と言っていたものが、いろいろ学問の領域が分化していったために語を付加して領域を区別しなければいけなくなってしまっているという変な話。
さてシンガポール植物園の次は、ジャワのボゴール(ボイテンソルフ)植物園だな。いつ行けるやら。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
