視覚における空気の必要性

一般に物を見るとき、われわれは空気を通してそれを見ている。宇宙空間や海中であっても、眼球は直接、真空や海水にさらされることはない。視覚に空気が必要なのは、生体の物理的な構造によって定められている基本的なフォーメーションということだ。しかし物を見るとき、われわれは空気をないものとして考えている。絵画において例外的に空気遠近法というメソッドがあるが、原則的に人間はクリアな視界を得るために空気の存在を滅却しようという方へ、工夫や努力を惜しまないで生きてきたと言ってもいいだろう。

Vintage article seriesは、1997年から2004年まで、わたしの作品サイト上にあったログ的なコンテンツを、本ブログ『Das Otterhaus』に復刻的に再掲した記事群です。ブログなどCMSが普及する前の時代に手書きHTMLで日々追記されていた記事は、展覧会などのお知らせ、雑感、制作上の試行錯誤の記録などが混在しています。その多くは字数も少なく画像のサイズも小さく、今の基準からするとコンテンツとしての価値はありません。しかしこの年代にこのような記述があったという事実は残すべきであると判断し、ブログの基層としてのデータの蓄積を維持しています。[2026年5月]
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