『IT’S A STAMP WORLD! ~切手に恋して~』

プチグラパブリッシング編。3月ぐらいから切手が気になるのなんのとごちゃごちゃ書いているのだが、実は近ごろ、切手は流行り!らしいのである。ぬかった。流行りモノとは一線を画して生きているはずが、思いっきり流行りモノにはまっていたということだ。自分としては少し情けない話なんだけど、ここはまあ開き直って小学生以来のコレクター人生をここらで少しだけ復活してみるのもよかろうという気もする。それで目下のニューな切手収集のテイストは「雑貨感覚」なんだそうだ。発行の由来やら背景やら市場価値やら一切合財カッコに入れてしまって、色とりどりの雑貨として集めて楽しもうという、正統派フィラテリスト(切手収集家のことを英語ではこう言うんだと)が聞いたら怒り出しそうなおよそ軽~いノリなのだ。で、この本はそういうニューな収集家たちのコレクション自慢がメインで、みうらじゅんの「崖っぷち切手」(笑)はイロモノだとしても、眺めているうちに、切手に対するこの見方というか接し方って実はとっても正しい態度なんだなあと思えてきて、かつての戦時通常切手コレクターの硬派な小学生はあっさりと白旗を上げて投降したのであった。30年という時間は長かった、と言う他ない。

で、切手を集めるには切手を買いに行かねばならないのだが、どこで売っているのか皆目わからない(あ、もはや読書記録でなくて100%自分の行動記録になってしまっています)。30年前、切手はデパートの6階ぐらいに売り場があったもんだったが今はどうなのだろう。そうか今ならネットがあるじゃないか。おお、スタンプショウってのがあるぞ。何でも切手商のブースが40ぐらい並ぶらしい。これは行ってみるしかない。というわけで、浅草に出かけた。

30ウン年前。街の切手屋なんか存在しない田舎の小学生だったから、漫画雑誌の裏表紙の切手通販の広告なんかを毎週食い入るように眺めていた。眺めるだけでは満足できず、授業中に色鉛筆で切手の模写(!)までしてた。しかし広告に載ってる図版は縮小されてるのでディテールがわからない。しかしまあそこはそれ、小学生の旺盛なる想像力でカバーして、とにかく切手らしいものを作っては悦に入っていた(目打ちはシャープペンの芯を抜いたヤツでひとつずつ穴を開けるのだ!)。そして月に一度ぐらい、両親のお伴でデパートに連れていってもらった時に、1枚か2枚、本物を買ってもらう、ちまちま~っとした行為こそが切手趣味・・・というような庶民的に小シアワセ小学生が30年後に、切手商が40ブースも並ぶ場所にいきなり踏み込んだと思ってください。わたしは脳みそが裏返る(脳みそが裏返るわけはないんだけど)かと思ったですよ。何といったらいいのかなあ、とにかくカタログでしか見たことのなかった切手の本物が、山のように散らばっているわけですよこれが。ほ本物ですよ本物っ。しかも何ですこれ、100枚とか10000枚とか、同じ切手が束になって売ってますね!!いったいどうするんでしょ。煮て食うほどあるってのはこういうことを言うんじゃないすかね!

このまま小学生の時に恋した切手を買い漁るのは、いわゆる大人買いをやらかす可能性がとっても高い。あぶないあぶない。落ち着いて別のフィールドを、そう、新しいコレクションを構築するとしよう。ってことで予定通り世界のカワウソ、ってのを集め始めることにしました。

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