
仙台うみの杜水族館のコツメカワウソ、この単独アップはメリー。撮影は2026年3月上旬です。

お昼前なので・・・

・・・まあ寝てますわな。はい、予想通りの状況です。園館カワウソとの付き合いも20年を超えますので、だいたいのカワウソの体内スケジュールは読めるようになりました。もちろんたまに外すこともあります。でも一般的に、何か物事に慣れて慢心を起こすようになるのは危険です。このあたりで初心に帰り、開園・開館時間の間中ずうっとカワウソの前でカメラを構え続けるような修行などするのもいいかもしれない。でもそれって園館各位やお客さんにとって迷惑な人なのではないだろうか。

お目覚めです。いい立ちっぷりです。左が母ムーア、右が娘のハピア。

朝(もう昼だけど)から活動的なサニー。木の枝がエクトプラズムみたいだぞ。

あれ、活動的でないですね。メリーです。他の3頭が動き回っているのについて行ってません。ぺったりと伏せて床にへばりついてます。

サニーが心配そうに見に来ます。大丈夫かな? サニーは顔がシリアスなのでこういう場合、本当に心配しているように見えるのである。

左からメリー、サニー、ムーア、ハピア。メリーは全然動けないわけじゃなくて、たまに動くのですがすぐに電池切れになってへたり込む感じです。

それでもお客さんが来ますので、母が率先して営業活動に励みます。

一般のお客さん方は、たまたまこのようなタイミングでカワウソの前に来ると、カワウソが自分の方を見て反応してくれてると自己中心的に勘違いし、顧客満足度爆上げ状態で帰られるのですが(それはそれでよいことですが)、実はカワウソはお客さん見てるわけじゃなく、その後ろにごはんをくれる担当キーパーさんが現れるのを今か今かと待ちかねているだけです。これをわたしはカワウソの営業行為と呼んで後ろから楽しんでおります。あ、これには例外があって、まだ心が汚れていない子どものカワウソの場合は、本当にお客さんの動きに反応します。

他の3頭が心配そうにしていますが、もちろんこれも人間側の勝手な想像です。

でもね、これはハピアですがメリーのところに行って鼻を押し付けています。この行動はどういう意味があるのかなあ。弱った個体を攻撃しているわけではなく、むしろその反対側の行動に見えるので、やはり心配した結果による鼻押しなのかなあ。おーい大丈夫か。

ムーアとサニー。さあてどうしたもんか。こんなとき頼りになるのは獣医さんですが、一般的に動物は獣医が大っ嫌いです。

大丈夫かメリー・・・
そうこうしているうちにお昼ごはんタイムになり、4頭はバックに引き上げまして・・・

しばらくして戻って来ました。左がハピアで、その隣、先頭切って出て来たのがメリーです。
そして、この後メリーはお客さんの目の前で食べたもの全部出し切っちゃいました。一般的な消化方向とは逆の方向に出し切ってしまって(←いちおう撮ってますが写真は出しませんから安心してね)、そしたらものすごく元気になってしまいました。人間でもこのパターン、ありますよね。吐いたら元気になっちゃうという現象。あまり思い起こしたくないですが。

みんなはお昼ごはんの後は氷をもらって(この大きめのやつは中におやつが入っているみたい)遊んでます。

元気回復したメリーもしっかり氷ゲットして、中身を取り出そうとしています。もうまったく普通に動き回っておりました。この後、見回りにいらした担当キーパーさんの話によると、ひょっとして朝食べたものに解凍不完全な部分があったのかもしれない、とのことです。つまり消化不良でフィードバックですな。もしこれが原因だとすると、体が健康だからこそちゃんと反応した、ということになります(各種作業でお忙しいこととは思いますが、どうかしっかり解凍してあげてくださいお願いします)。

はーい、そこのあまり見たくないもの掃除しますよ。
あらぬ方向からホースが出て来たのでみんな興味津々です。左からムーア、ハピア、メリー、サニーの順です(この角度からの識別は難易度高いですよ、自慢してどうする)。というわけでお疲れさまでした!午後も元気に昼寝しましょう。

佐藤淳一【カワウソ写真家】 [著者情報] 実はカワウソに限らない写真家。平成19年度宮城県芸術選奨受賞。主な著書に『恋する水門』(2007年/BNN新社)、『ドボク・サミット』(共著/2009年/武蔵野美術大学出版局)、『カワウソ』(2010年/東京書籍)他がある。展覧会は『ニーダーフィノウの鉄の骨』(2006年/Gallery Maki)、『アートみやぎ2007』(2007年/宮城県美術館)、『カワウソおもろいねん!』(2013年/海遊館)、『大都会の野生カワウソ』(2018年/埼玉こども動物自然公園)他、1995年より多数開催。雑誌『ワンダーJAPAN』、『土木技術』、スポーツ紙『東京スポーツ』で写真と文を連載。『タモリ倶楽部』(2008年/テレビ朝日)、『出没!アド街ック天国』(2012年/テレビ東京)等に出演。「生きることは、見ること」が信条。芸術と研究を足してサブカルで割った「リサーチ・エンタテインメントとしての写真」を専門とし、土木構造物と野生動物という、かけ離れたふたつの領域で仕事してきました。
