ウィーンで見る人

Vintage article series: jsato.org | talk 20040315 – 20041027

しばらく前からメールのやり取りをしているウィーンのカスパル・ヴェーバーさんが、自分のトップページで『花花緑緑』の宣伝をしてくれている。うれしいことだ。

http://www.c-u-w.com/

彼は30代後半。かつては版画をやり、その後写真に転向し、さらに現在はウィーン応用美術大学でアートマネージメントの学位を取ろうとしているらしい。彼の写真はいかにもウィーンらしい、クラシカルな美学の元に制作されているのだが、どうもわたしとメールをやり取りする前後から様子が変わって来ている。それがこのところの日々の写真からうかがえるのが面白い。しばしばモノクロがカラーになり、構図もちょっと軟化。それより何より、毎日写真が上がるようになった点が最大の変化だろう。去年の秋にリトアニアのイグナスと100日間国際コラボレーションをやった時にも、相手に対して同じような変化を感じた。構図が崩れ出し、対象との関係性が自由になり、色が意識の俎上に上がるようになる。そんな変化だ。彼らにしてみればわたしなどは「東洋のデジタル色キチガイ」に過ぎないはずだが、何か「今までとは違う感覚」というようなものを受け止めてくれているのではないかと思えなくもない。

カスパルは、わたしのいい加減なリンクをたどって小林のりおや高橋明洋のサイトにたどりつき、かなり面白がっている様子だった。いずれウィーンで日本の同時代の写真(いわゆる現代写真、ではないよ)の展覧会をマネージメントしたいと言っているので、大いにその動きを期待しておくことにしよう。しばらくは行けそうにないが、いずれウィーンでうまいビールを飲んでやるぞ。

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